GP & PEOPLE
GP & PEOPLE

| 氏名 | 志賀 友美 |
|---|---|
| 勤務先 | 岐阜大学医学部附属病院 |
| 専門分野 | 周産期 |

2014年に岐阜大学病院へ戻ったタイミングで、入局者を増やすためのプロジェクトが立ち上がりました。岐阜Plus One Projectと銘打ち、毎月コアメンバーで集まり、「どうすれば産婦人科医を増やすことができるのか」を話し合いました。そこで見えてきた課題は、学生や初期研修医が産婦人科医療に触れる機会そのものが少ないことでした。初期研修で産婦人科が必修ではなくなり、学生実習も短期間で、産婦人科の魅力を伝えるタイミングが限られていたのです。
私たちがまず取り組んだのは、学生実習の改革でした。ポリクリ実習では、手術や外来見学だけでなく、毎週決まった時間に超音波や腹腔鏡などの実習を行い、初診患者さんの問診を取る機会も設けました。さらに、医局員の週間予定表に「学生実習」の欄を作り、手術担当と同じように、学生実習を担当する医局員を必ず配置する仕組みにしました。選択実習ではオーベン制度を取り入れ、学生が産婦人科医の日常を間近で感じ、たくさん会話できる環境を整えました。

2015年には、完全オリジナルのハンズオンセミナーを開始しました。ファントムを用いた超音波ブースや腹腔鏡ブースに加え、実際の妊婦さんにご協力いただく実妊婦エコーブース、ゼロから自作した胎児治療モデルを用いた胎児治療ブース、会陰部の筋走行を正確に再現したオリジナルモデルによる会陰縫合ブースなど、医局員がアイデアを出し合いながら内容を作り上げていきました。回を重ねるごとにセミナーの質は高まり、コロナ禍では中止やオンライン開催を余儀なくされた時期もありましたが、対面での開催を再開することができました。2025年までの参加者は延べ220名を超え、近年の入局者の9割以上がこのハンズオンセミナーの体験者です。現在では、立ち上げ当初のコアメンバーの手を離れ、若い世代が運営を引き継ぎ、自走するイベントへと成長しています。

産婦人科医療が持つ大きな魅力を、私たち自身が楽しみながら、次の世代に手渡していくことが大切だと感じています。目の前の学生や研修医に声をかけること、ひとつの手技を一緒に振り返ること、日々の診療の中で自分の考えを言葉にして伝えること。その小さな積み重ねが、学ぶ人の未来を変え、教える側自身の成長にもつながります。教育者も学習者も、ともに学び、ともに育つ仲間として、産婦人科教育を一緒に盛り上げていきましょう。