GP & PEOPLE
GP & PEOPLE
氏名 | 堀澤 信 |
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勤務先 | 長野赤十字病院 |
卒業年度 | 2007年度 |
専門分野 | 特になし |
私が腹腔鏡手術の習得を志した2010年頃、長野県において腹腔鏡手術は大学病院をはじめとするいくつかの基幹病院でのみ行われていました。腹腔鏡手術を習得し、長野県のどこでも腹腔鏡手術ができるようにしたい、という思いが私の活動の出発点です。
2012年、専門医を取得した直後、金尾祐之先生が主催するTRYセミナーに2期生として参加しました。TRYセミナーでは、鏡視下縫合結紮や手術の知識だけでなく、手術を行う医師としての心を学びました。また、共に切磋琢磨した仲間を得たことは、今につながる得がたい財産となりました。
TRYセミナーを修了した後、1年間順天堂大学に国内留学の機会を頂きました。ハイボリュームセンターでの国内留学で学んだ知識や技術を長野の若手医師と共有するため、2016年よりTRYセミナーを参考にして腹腔鏡セミナー(Shinshu Training and Education Program for minimally invasive Surgeries; STEPS)を開始し、現在も継続しています。
国内留学から戻った後、地元のアクリル加工会社と協力し、ドライボックス(J-ボックス)を作りました。手術環境の再現性が高く、パラレル式やダイヤモンド式など異なるポート配置にも対応し、なおかつ安価なドライボックスを目指して改良を加えながら、2015年より販売しています。
https://junbox.thebase.in/
2017年、オンラインでビデオカンファレンスを行うOSVDを開始しました。STEPSを補完する遠隔教育として発案したOSVDは、教育を受ける機会の乏しい他の地域の医師からも幅広い支持を受け、これまでに約80回開催してきました。コロナ禍の影響もあって登録会員は2000名を超え、現在では外科や泌尿器科でも開催されるようになっています。
https://surgstorage.com/osp/
私は教育学を学んだこともなく、自分を「教育者」であると思ったことはありませんが、「若い頃の自分が当時欲しかったもの」を、今の若い先生たちに届けたい、という思いで活動してきました。その結果として、多くの仲間と出会い、彼らに支えられて教育奨励賞を受賞することができました。
今後も、医療の地域格差を解消し、腹腔鏡手術の裾野がさらに広がるよう、活動を継続してまいります。